第1回エリーゼ音楽祭全国大会審査員講評

投稿者:|カテゴリ:エリーゼ音楽祭掲示板 ブログ|投稿日:2011年10月14日

全国大会の審査をして頂いた4名の先生方からのとても温かい講評をご紹介させていただきます。

第2回エリーゼ音楽祭の参考に、そして音楽とは・・・

皆さんの音楽ライフのお役に立てれば嬉しく思います。

伊藤仁美先生 ピアニスト

大人が主役のピアノコンクール…ワクワクしながら第一回目の本選を聴かせていただきましたが、さすがに人生経験豊富な大人の演奏、それぞれに素晴らしいドラマがあり、感動的なコンサートのようでした。どの演奏者に対しても、温かく盛大な拍手が贈られ、ピアノを弾く喜び、聴く喜びを共有できる仲間ができたこと、本当に嬉しく思います。

伊能美智子先生 作曲家

先日の第1回エリーゼ音楽祭の大成功おめでとうございます。

長谷川ますみ先生をはじめ運営の皆さま方のご努力の賜物とお喜び申しあげております。第一に会場の選び方が良うございましたね。日本各地に存在するそれぞれの銀座の本家本元であるゴージャスな東京銀座に位置し、あのヤマハを代表するホールが会場なのですから、ピアノをなさる方なら一度は行ってみたい、できればそのステージに上がってみたい、と憧れる会場です。出演なさった皆さまはさぞ満足なさったことでしょう。ご演奏前のコメントにもその思いがよく表れていました。またそのようなお気持ちを素直にコメント出来るというのもエリーゼ音楽祭ならでは…と感じた次第です。
なお、大人の場合の音楽づくりについては…私の場合、以前演奏専門のときは、楽譜の通り弾くだけでショパン先生やベートーヴェン先生の奴隷でしたが、いまは演奏もしますが、主として楽譜を作る側におります。すると楽譜とは演奏して楽しむ材料にしか過ぎないことがわかってしまいました。ですから大人の場合ならなおのこと、も っと自由に楽譜を利用してご自分の音楽づくりをなさることをお薦めしたいと思います。それが大人のピアノ演奏の特権ではないでしょうか。それでは次回を楽しみにしております。

呉 恵珠先生 伴奏ピアニスト

こんにちは、皆さん、お元気ですか?ピアノ練習してますか?あの日皆さんがピアノに向かっている姿、今でも鮮明に覚えています。私も審査、という形でしたが参加して良かった!!いろんな事感じました。純粋にピアノに向かっている姿、本当に好きなんだという気持ち、又完全に生活の一部になっていること、又どんな人生送ってきたのかしら?音で分かりました。辛い時もあったけれども今はみーんな幸わせなんだということ、私も幸せ。音楽は偉大!!幸せにしてくれるもの。来年皆さんはどんな形でやって来るのかしら?楽しみです。。元気でね!!さらに幸せになって又来年お会いいたしましょう。

黒川  浩先生 フェリス女学院大学教授

ピアノという楽器はその技術を習得するのにとても時間がかかるので、ともすると、手や指だけで弾いてしまいがちですが、芸術として楽曲の価値を高めているものは、心と頭での演奏と言っても良いのではないでしょうか?心で十分に感じ、頭でイメージした音を自分の個性と共に作曲家のメッセージとして客席に伝える。そこには音楽だけがあり、いわゆるテクニックは前面に出てこない!これが僕の価値観のひとつとなっています。各々の演奏者の心からの演奏には、表面上のキズやアクシデントなど吹き飛んでしまうエネルギーがあるものです。そして十分に心で感じることが出来るには、やはり人生経験による”心の年輪”というようなものがおおいに関係してくると僕は考えています。芸術は”大人の楽しみ”と言えるかもしれません。芸術には答えがないこともまた事実です。そう考えると演奏の点数化は相当難しいことです。ここにコンクールの存在意義の負の側面があるのです。ある人が言っていました。「他人と自分を比べることは、全く無意味である。しかし、昨日の自分と今日の自分、明日の自分を比べることこそ、大切なのだ」と。皆さんの演奏に接し、改めて音楽のエネルギー、芸術への憧れ、感謝を再認識させていただきました。ありがとうございます。お互いに宇宙のように果てのない(最近の研究でどうやら宇宙の果てはあるらしいことが判明したらしいとか)芸術の世界の一端を識る旅を続けましょう。僕は高所恐怖症なので宇宙船には乗りたくないので、芸術の宇宙を探していきます。

(50音順でご紹介)

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